昼間の信号機

パパ活で貯金を作っている、メンヘラ社会不適合者の女です。主にパパ活での出来事などを書いています。

人間嫌いのパパ活日記⑰-今度こそガルバ体験入店に行ってきた(2)

雨足は強まるばかりだが、結局店内には入れてもらえず、私たちは路上キャッチを続けることとなった。


路上キャッチは思った以上に楽しかった。男は値踏みの目を、女は好奇と軽蔑の目を向けてくるのが手に取るように分かるのである。彼女連れの男性はつとめてこちらを見ないようにしてくるのが伝わってくるし、忙しそうな人はこちらに興味すら示さない。発声のタイミングを考えるため通行人のことは割とじっくり見るが、路上キャッチに対する反応の差は見ていてなかなか面白かった。

 


程なくして内勤さんから電話がかかってきて、私は休憩のため店内に入った。この時間はまだ暇だったため、内勤さんとお喋りをして過ごした。

 


どうして体入しようと思ったの?などといった当たり障りのない内容から始まり、趣味の話などになり、どういう経緯だったか忘れたがなぜかメイド喫茶の話になった。最近よくメイド喫茶に行きます、ということを話したら内勤さんがかつてメイド喫茶のTO(トップオタク)だったことが判明し、内勤さんがかつて推しのメイドさんに贈ったフラスタやプレゼントの画像を見せてもらった。「俺女の子が喜ぶプレゼント見つけるの得意なんだよね〜」と言いながら見せてもらったプレゼントのセンスは正直微妙だった。

 

 


休憩明け、キャッチに立つ場所が変わってペアのキャストの子も変わった。先程の子と同じで21歳らしく、今は何されてるんですか?と聞いたらまたしても「ニートだよ」と返ってきた。ここには社不しかいないのかもしれない。まぁガルバって夜職だしな。


趣味の話をしていたらなんと同じアーティストが好きなことが判明して大盛り上がりし、ずっとその話ばかりしていた。どの時期の曲が好きですか?てか昨日の生放送見ました?最近キャラ変えようとしてますよね〜結婚したいとか言ってたし。まぁ昔に比べてだいぶ民度落ち着きましたけど、民度低かった時代が長すぎて未だに好きって公言できなくないですか?わかる〜!といった具合に。結局この時は一言も客引きの言葉を発さなかった。めちゃめちゃ楽しかった。


それから、好きなメイド喫茶の面接をそのキャストの子が受けようとしていたことが判明して大変驚いた。めちゃめちゃ好きな外見だったし話も合ったので、今頃メイド喫茶でその子に貢ぎまくっていたという未来もあったのかもしれない。

 

 


その後またキャッチの立ち位置が変わり、イケイケ陽キャみたいなかんじのキャストの子とペアになった。彼女をSちゃんとする。Sちゃんは専門学生らしく、私と同い年で、社不というかんじはせず話を聞くにかなり遊んでいそうだった。


その頃にはゴールデンタイムに突入していたというのもあるが、Sちゃんはは他のキャストと違ってとても客引きに熱心だったし、上手かった。引けなさそうなお客さんにも話しかけて世間話なんかをする(彼女曰く印象に残ることが大事で、今日引けなくても後日に繋がるかもしれないらしい)し、元気系で強引で、「え〜お兄さんにお店来て欲しいな〜」と言われたら「まったく仕方ねぇな〜」とついて行きたくなる雰囲気がある。最初の十数分はSちゃんに客引きのコツなどを教わっていたが、あっという間に彼女はお客さんを引いて店に連れ帰ってしまった。


1人で路上に取り残されてしまった私は、仕方がないので客引きに本腰を入れる。こういう場面で恥じらいを捨てるのは得意なので、普段は天地がひっくり返ってもできないような「お兄さんたちカッコいいからお店来てくれたら嬉しいんですけど……」みたいなことも平気で言える。少しすると2人組のお客さんを捕まえることに成功し、私はお客さん2人を連れてお店に戻った。

 

道すがら「今日はお仕事帰りですか?」「こういうお店はよく行かれるんですか?」といった定番の会話をし、料金システムの説明なんかをする。料金システムの説明が曖昧だったからなのか、「お姉さんもしかして新人?」と看破されてしまったので「実は体験入店で……」と白状した。

 

 

お店に到着すると既に店内はほぼ満席で、内勤さんに相談したところ普段は女の子の休憩スペースになっている席に案内することになった。休憩スペースとは言ってもちゃんとカウンター席になっているし、お酒も置いてある。ただカウンターの後ろにロッカーや貸しシューズが置いて会ったりはした。

騒がしい店内の奥の席でやっと一息つく。


「(源氏名)です、お兄さんたち来てくれてありがとう!よろしくね」


と挨拶をし、注文を取った。緑茶ハイを、と言われたが、ろくにお酒の作り方を教わっていないので「たぶん酒だろう」というボトルから無色透明の液体を指2本分入れ、その上から2Lペットボトルに入った緑茶をドバドバ注ぐ。

ガルバでは女の子もワンドリンクを飲むシステムなので、2番目に大きなグラスを入れてもらい、同じく緑茶ハイらしきものを飲んだ。このお店では、お客さんには20歳だということにすれば未成年でも飲んでいいらしい。お客さんに入れてもらうグラスは3種類のサイズがあり、大きさによってキャストに入るバックが違うそうだ。

 


お客さん2人はこちらに質問をしたりして話題を振ってくれたが、ADHD特有の喧騒の中で聞き取りができないというアレを遺憾無く発揮し、最終的に「チェンジで」と言われた。そりゃそうである。

 

 

私は卓を離れ、少しの休憩をもらった。

 

 

 

【続く】